ども、こんにちは!
冬ごもり非正規国民の南田維葉です~
東日本大震災で被災したのち、長野の標高1000m超の山中に移り住みました。
この記事を執筆しております2023年で山ぐらしも早12年となりました。
この2年は春から秋まで働いて、稼いだお金で食料などを買い込んで、冬の間雪山にこもるという「冬ごもり」スタイルで暮らしています。
雪山はときに零下20℃まで気温が下がりますが、安いストーブをDIYで改造して、解体現場で頂戴した廃建材を焚いて暖かく過ごしています~
そんな南田の冬の頼れるアイテムの1つが、
です。
現在わが家では5つのガラス魔法瓶が活躍中。いずれも解体現場でもらってきた年代物ですが、保温力は素晴らしいですよ!
最近はそもそも電気ポットや電気ケトルを使う方が多いでしょうし、ポットだとしてもステンレスのものが多いかと思います。
でも、
とか思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その秘密とは?
今回は、そんな「ガラス魔法瓶」についてご紹介したいと思います。
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それではごゆっくり見ていってくださいね。
わが家ではガラス魔法瓶が大活躍中!
わが家では5つのガラス魔法瓶が活躍中です~
2Lタイプが3つ。1Lタイプが2つになります。
いずれも解体現場でもらってきたもので、かなりの年代物です。
うち2つが象印、2つがタイガー、残り1つがエベレスト!
エベレストって何!? 聞いたことない (´;︵;`)
「エベレスト」ブランドは今はなき「ナショナル魔法瓶工業」のブランドなのだそうな。
歴史を感じますね。
わが家では冬は薪ストーブでお湯がじゃんじゃん沸くので、沸いたお湯をこれらの魔法瓶に入れていきます。いっぱいになったら湯浴び用に使っているスポーツジャグに入れていきます。
こうしてためておけば、好きな時に使って、コーヒーを飲んだり、麺をゆでたり、洗い物に使ったり、洗濯に使ったり、湯浴びに使ったりできるので、大変重宝するのですよ。
ガラス魔法瓶の歴史
そもそも「魔法瓶」ってなに?
さて、今回ご紹介しようという「ガラス魔法瓶」ですが、まずは「魔法瓶」ってなんぞ?というところから始めたいと思います。
「魔法瓶」とは?と聞くのなら、ここは専門家の「全国魔法瓶工業組合」さんにうかがうのが筋というもの。
全国魔法瓶工業組合のHPを見てみますと、魔法瓶について下記のように書かれています。
まほうびんは内びんと外びんの間が二重構造で、この空間が真空になっており、伝導と対流による熱の伝わりを防いでいます。また、ガラス製では真空層に銀メッキを施し、ステンレス製は金属箔を巻くことによって、輻射熱を反射させています。
これらの構造により、熱の3つの伝わり方「伝導」「対流」「輻射」を遮断しているため、保温・保冷が長続きするのです。
ガラス製は衝撃に耐えるよう金属や樹脂のケースでカバーし、ステンレス製は外びんそのものがその役目を果たしています。
全国魔法瓶工業組合のHP より
熱の伝わり方には3つの形があります。
②対流:液体や気体が移動して伝わる 例)暖かい空気がロフトに集まる
③輻射:遠赤外線など電磁波として伝わる 例)灯油ストーブがあったかい
魔法瓶では容器を2重にして、その間を熱が伝わりにくい(伝導しにくい)真空状態に近づけることと、密閉して中身が外に逃げないようにすること、銀メッキや金属箔で鏡のように電磁波を反射して、中に閉じ込めること、の3つで上の①伝導、②対流、③輻射による熱の移動を少なくしている、ということですね!
この構造のおかげで、
ということなのです。
なるへそ!!
魔法瓶っていつからあるものなの?
では、この「魔法瓶」っていつからあるものなんでしょうか?
これについても「全国魔法瓶工業組合」さんにおうかがいするとしましょう。
1873年(明治6)、イギリスの化学者・物理学者ジェームス・デュワー(1842-1923)は、金属容器を二重壁とし、その両壁間の内部を真空にしたところ断熱効果が認められた。これが真空容器による初めての放熱遮断実験である。
全国魔法瓶工業組合のHP より
最初のアイデアは150年前にイギリスの方が思いついたんですね!
1904年(明治37)、ドイツのラインホルト・ブルガーが、初めて家庭用の保温保冷器具として製品化し、「テルモス」と名付けて売り出した。テルモスとは”熱”を意味するギリシア語から来た言葉で、公募で選ばれた商品名である。
その後、ドイツ、イギリスを中心に魔法瓶は次第に工業化されていった。
全国魔法瓶工業組合のHP より
実際に商品化されたのはその30年後ということですね~
日本での魔法瓶の発展
さてお次は日本ではどうなの?というところ。
日本に魔法瓶が輸入されたのは1907年(明治40) 9月。
東京日本橋にあった「日本銃砲店」の広告に、最初に販売された記事が掲載されている。
国内初の新聞広告を出したのは金丸銃砲店(1908年(明治41))、その後ドイツのTHERMOS社や伊藤喜商店などの広告も出され、国内での普及をめざしてきた。
全国魔法瓶工業組合のHP より
1904年にドイツで商品化されて、1907年にはもう日本に来ていたんですね。
それにしても「銃砲店」が扱っていたって。。。
そして、気になる国産第一号はというと?
国産第一号の魔法瓶が登場したのは、明治45年(1912)。神戸高商出の日本電球会社の八木亭二郎氏が輸入品を解体研究して、電球製造の際に用いる真空技術を応用し完成させ、同年に「八木魔法器製作所」を設立している。また、大阪江戸堀の瓶製造者竹森三之助も魔法瓶製造を試みていたという説もあり、八木と竹森の協力のもと安定した製品が初めて供給できるようになったとも言われている。魔法瓶の製造を試みたのは八木魔法器製作所のほか、八木の協力者の一人である磯部金吾(現・ダイヤモンド魔法瓶工業)、星印電明社(現・オルゴ)、山中辰商会、山富洋行、兎印中西魔法器製造所などがある。
さすが技術大国日本!伝わって5年後にもう作ってしまったんですね。
そもそも大阪は1751年(宝暦元)に長崎商人播磨屋清兵衛が天満宮の鳥居前にガラス工場「玉屋」を作った時からガラス工業がはじまっていて、魔法瓶が日本に伝わった当時は電球をつくるためのガラス職人がたくさんいたのだそうな。
電球もガラスの中を真空にして作っていたので、この技術が魔法瓶に活かされた、ということですね。こういう経緯がありまして、日本の魔法瓶メーカーはみな大阪にあるんですな。
なるへそ!!
全国魔法瓶工業協会のHPにこういったことが詳しく書かれていますので、ご興味ある方はぜひ!
初期のロゴマークなんかもみてみるとおもしろいですよ~
そして、このページによりますと、「魔法瓶」という名前は、
1907年(明治40)10月22日付の東京朝日新聞で、東京帝国大学理学博士の飯島魁(いさお)が記者との対談で初めて「魔法瓶」と表現した、とされている。
となっています。
まあ初めて見たらビックリな魔法ですよね!
ステンレス魔法瓶の発明
もともとはガラス容器でできていた魔法瓶ですが、
といったデメリットがありました。
そこで、容器にステンレスを用いたものが作られるようになるわけですが、このステンレス真空断熱魔法瓶を発明したのが、当時の日本の産業ガス大手の日本酸素株式会社で、これが現在の「サーモス」社になるわけですね~。
それまでにアメリカで作られていたステンレス製魔法瓶は粉末断熱材を用いたものだったそうな。
このステンレス魔法瓶ができたのが、くしくも南田の生まれた1978年!なのです~。
なんか親近感を感じちゃいます。
ガラス魔法瓶の魅力とは?
では、ここからは南田家で大活躍な「ガラス魔法瓶」の魅力について見ていくとしましょう。
電気代がかかりません
貧乏性の南田にとって一番の魅力が、電気代がかからないこと。
電気ポットがなんかずっと動いていると気になってしまうし、電気ケトルとか消費電力が1000wを越えるものがあたりまえなので、15A契約のわが家ではすぐブレーカーが落ちてしまいます (´;︵;`) 。
そこをいくとガラス魔法瓶はなんぼ使っても電気代はかかりませんので安心です~
ステンレス魔法瓶との違い
ガラス製とステンレス製の違いは容器の材質の違いですが、これによって特性が異なります。
・医療用にも使用されている「ほうけい酸ガラス」を使用、「においや汚れが付きにくい」
・落とすと割れる
・かさばる
・重い
・保温性が高い
・落としても割れない
・コンパクト
・軽量
この他、チタン製というのもありますが、ポットとしては高価なのであまり普及していません。
現状ではステンレス製がメインになっており、ガラス製は卓上の一部に限られる、という感じですね。
昔の魔法瓶の方が冷めにくかったのはほんと?
魔法瓶の話をすると、けっこう年配の方からは、
という声を聴きます。
これは1978年にステンレス製の魔法瓶が出てくる前のガラス製魔法瓶と比較して、ということなのかなと思います。
実際にガラス製とステンレス製の保温性を比較してみましょう。
卓上ポットでガラス製とステンレス製の両方でラインナップが充実しているのは、象印さんとピーコックさんです。
その保温能力を表にしたものがこちら。
「10時間保温効力」というのは、
です。
つまり、この値が高いほど保温力があることになります。
この表から次のことがわかります。
②特に2.2Lの容量で差が大きく、このときガラス製はステンレス製より6℃優れる
③容量が大きいほど保温性が高い
以上のことから考えると、やはり
という感覚は正しそうですね。
持ち歩くには不便なガラス魔法瓶ですが、保温力が高いのが魅力といえるでしょう~
今買えるガラス魔法瓶をご紹介
さて、そんな昔なつかし、そして保温力も高いガラス魔法瓶は今でも入手できます。
ここではその中のいくつかをご紹介したいと思います。
象印
象印では1L~3Lの容量のガラス魔法瓶を販売しています。
2023年11月現在、一大ブームを巻き起こした1970~1980年に登場したデザインが限定復刻しております。昭和レトロを感じさせるデザインも注目ですね。
ピーコック
ピーコックでも幅広い容量でラインナップされてますね。
タイガー
タイガーもガラス魔法瓶を出しています。
ガラス魔法瓶ではないけれど、昭和レトロな100周年記念品も販売中!
タイガー魔法瓶 HP より
ヘリオス
そして猫など動物柄のすてきなガラス魔法瓶を出しているのがドイツの老舗メーカー「ヘリオス」。日本メーカーと比較すると保温性はおとなしめですが、このデザインは捨てがたいですよね。
お茶の間が楽しくなりそうです~
ネコだけでなく、クマ、ウシ、ペンギンなど7種類あるので、見るだけでも楽しいですよ!
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
わが家でも大活躍な、保温性にも優れる「ガラス魔法瓶」についてご紹介しました。
ガラス魔法瓶は
・重い
・かさばる
といったデメリットもありますが、
・においや汚れが付きにくい